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認知症にならないための毎日の活動を頑張っている私です。
今回は単行本の紹介です。
昨年、介護スクールのセミナーを受けに行ってきたときの講師からのおすすめの本を紹介します。
自分にとってとても印象的だったことがたくさんあり、少し発刊年月は前のものですが今も通じることがたくさん書かれていたので、ブログとして投稿してみました。
やはりいろいろなブログで書かれていたのでそれなりに人気もあるのでしょう。
同じ内容になってしまうかもしれませんが、、、
老後の自分の姿を思い描いたり歳を取ったらどんな気持ちになるだろうなどと想像したりする人はそんなにたくさんはいないだろう。
まして若い人達などは殆どいないだろう。
そういう私ももちろん若いころなどにそんなことを思った記憶がない。
老人は単なるうるさい人種ぐらいにしか思わなかった。
逆にそんなに若い頃から何十年も先のことを考えて居ようものなら「ばかみたい!」というような一言で一蹴りされていただろう。
しかし現代というこの時代に私達はそれを考えないわけにもいかないだろう。
私達の大多数が否応なく高齢者になってしまう、いや、なってしまった。

人々の叡智が技術を進歩させてこの社会を作り上げたことが一番の原因であることはもうずいぶんと昔からいわれてきた。
日本という国もこの現象はずいぶん前から認知していたが、10年以上前から対策を練ってきてはいるはずなのだがこの数年間で高齢化を表すグラフはものすごい勢いで右肩上がりの勢いを増している。
欧米諸国を抜いてしまった。
欧州ではすでに「長寿社会に向かう長期的変化」を見つめつつ、「未来の自分を見つめて生きること」を提案していた。
調べていくとイギリスでは産業革命の頃から平均寿命が延び始めそれ以来ずっと伸び続け2020年には成人の50%以上が50歳以上になりこの進行がもっと加速するといわれてきたようだ。

先進国といわれている国の宿命でもあるとは言われてきているが近年では地球の隅々までこの兆候は表れているようだ。
日本もこの問題を取り上げるときに少子高齢化という言葉でよく言われてきたのはほんの少し前といってもいいくらいの時期でやっと腰を上げたところだ。
出生率などは時代とともに生き方や生活の仕方が変わってきているので一概に変えることはできないとは思うが社会の在り方や考え方が変わればじょじょに伸びてはいくと思うのだが。
高齢化現象発生イギリスから始まりスェーデン、ついに日本が追い付き今や世界で最も高齢化した社会であることは間違いないことになっている。
出生率を問題点として挙げてくるがこれも大事なことだが生む環境など様々な要因の改革をしないと子供を育てる不安が解消されませんね。
若い人と同数の老人がいる時代を予期して計画を立て直さなければならない切羽詰まったこの国の現状を将来の人的資産として高齢者に好意的な社会作りを目指すための行動を起こさなければいけないと自分自身もつくづく感じるものである。
どうしたらそれができるのだろうか?
歳を取る前に歳を歳を取るとはどういうことかを理解することができるだろうか?
どうしたら老人の目のを通して世の中を眺めることができるだろうか?
老人になった時、社会は年寄りを歓迎してくれるだろうか、知りたいものだと思う。
そんな思いを自ら老人になって実体験として体験をし社会に警鐘を鳴らそうとした一人の女性がいた。
その彼女が書いた手記をまとめてみた。
本のタイトルは
私は3年間老人だった 原題は “Disguised” 変装
パトリシア ムーア (Ptricia Moore)という女性だ。 パット ムーア
ニューヨーク州生まれ。ロチェスター工科大学卒業後、工業デザイナーとしてレイモンド・ローウィー社に勤める。どんな人にも使いやすい製品をデザインしているのか疑問を持ったのをきっかけに、26歳の時から3年間、老人に変装して潜入調査をする。そのかたわら、高齢者のニーズを学術的に追及しようと、コロンビア大学大学院で老年学、生物学、カウンセリングを学ぶ。工業・環境デザイン、教育学、応用人間発達学で修士号取得。3年間の変装後、ニューヨークにムーア・アンド・アソシエイツ社を設立。現在は、デザイン、パッケージ・デザイン、乗り物デザイン、調査、製品開発、コンサルティングなど、世界トップのデザイナーとして活躍中。日本の企業や行政からの依頼も多くあり、ユニバーサルデザインのコンセプトに基づいた環境や製品、サービスの開発に取り組んでいる 。
自ら85歳の老女を演じ老人として受け身の立場から世の中を見るという面白い行動であったに違いないと思う。
この彼女の国はアメリカだが私たちの国日本にもいろいろ当てはまるものがたくさんある。
昨今の社会生活を送っていくなかでこの国のいろいろなものがこの本を通して見えてくる。
社会生活におけるインフラの整備や歩行者同士の問題や歩道に行き来する自転車、子連れ同乗の大きな自転車、、などあげたらきりがないくらいに老人にとっては危うさがいっぱいの社会生活だけれどけっして老人だけの問題だけでもなさそうだ。
彼女の体験からいきいきとした言葉がたくさん感じ取れる反面、彼女の生きた経験の中から社会生活への不安への警鐘を鳴らすものでもあったようだ。
世界の平均寿命から見ても日本は世界3位
女性で87.26歳 男性で81.09歳
長寿になったものだ。
かつて織田信長の時代、人生50年という唄いを本能寺の燃え盛る炎の中で一人舞いながら死んでいく映画の光景は今でも目に焼き付いている。
それから400年余りの間に一人の平均寿命が30年も伸びている事になる。
女性
香港 87.66歳 日本 87.26歳 スペイン 85.84歳 韓国 85.4歳 フランス 85.3歳 男性
香港 81.70歳 スイス 81.50歳 日本 81.09歳 ノルウェー 80.91歳 スウェーデン 80.72歳 世界の平均寿命からしても日本は女性で2位、男性で3位という長寿の国になっている。
この表から見ても今から4年前の統計なので今現在は少し変わっているかもしれませんが。
高齢化が進むと社会情勢や社会負担はどう変わっていくのだろうか?
高齢者が増えていけば社会面でも身体面でも必要な調整や計画の見直しが必要とされる。
人類が直面している最大な挑戦といっても大げさではない気がします。
もの作りにしても若い人には向いているけれど、年寄りには向いていないというようなものを作り続けるわけにはいかなくなってくる。
幸い日本はIoTという技術をつぎ込み知識体制があるから少しずつ変化は来ているようだがまだまだ完ぺきではない気がする。
若い人向けの労働力に対する運動能力の補助的な力をロボット工学やAI人工知能を使って製品化をしていく方向はニュースや、CMなどからもうかがえるけれど本当に実用化するにはもう少し歳月が必要だ。
それよりも今ある危機感への共有が必要ではないかと自分では考えてしまう。
そしてそれに必要なのは想像力と創造力とインスピレーションを通して全体を見渡す洞察力ではないかと思っている。
この先、いつだって波のように押し寄せてくる高齢化の波は止めようにないのだから、、、
この本のロケーションはアメリカという決して老人には好意的ではない都会や近郊の郊外での実験検証だったようだがこの実験をしていくうちにデザインするという考えを変えていく。

日本という国に当てはめてみれば必ずしも異国のことでもないような気がする現状を共鳴共感しながら読みすすめると面白いと思う。
きっと、周囲を見る見方が変わってお年寄りや僕を含む皆さん方の未来の姿をどうとらえ考え、どう感じるかの洞察力が生まれると思う。
毎日の生活が楽しくなるかもしれない。
目に入ってくるものすべての見方が変わると思う。

もともと彼女はインダストリアルデザインを志望するデザイナーを目指していたことから
道具とは何か、それを使うための便利さ、わかりやすさ、社会の中に邪魔にならないCなどたくさんあるに違いない。
僕自身はデザイナーという世界で生きているわけではないのでデザイナーたちが何をどういう風に視覚で見せていくかというビジュアル面だけを主体に考えていくわけだがインダストリアルデザインとなればもっといろいろな面で思考を深めていくことが多いのだろうと思う。
例えば、音、形態、視認性、伝達力、使用性、まだまだたくさんの事柄を盛り込みながら一つのデザイン化した立体物や平面物を作り上げているに違いない。
幸いこの国にもたくさんのデザイナーが存在している。
将来的に明るくする世の中を迎えるには自分が変わるということが大事だと思う。
なんだか説教じみてしまって申し訳ないが是非一読を、、、
日本題だと「私は三年間老人だった、、明日のために自分で出来ること」というタイトル。
アメリカの工業デザイナーで日本にも行政や企業からの依頼もありユニバーサルデザインのコンセプトに基づいた環境や製品、サービスの開発に取り組んでいる若い頃の実体験を交えた手記を書いた。
ありがとうございました。
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